【最終回】ショートカットキーで部品を追加してみよう

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いままで部品の追加は、マウスで行ってきましたが、部品をいちいちマウスで追加するのは面倒です。そこで、CircuitSimulatorAppletには、部品を追加するショートカットキーが用意されています。 今回は、ショートカットキーの設定や正確なシミュレートをするのに重要な「Time Step Size」という設定項目について解説していきます。

ショートカットキーを使うには?

CircuitSimulatorAppletでは、部品を追加する時にショートカットキーを使うことが出来ます。

特別な設定をする必要はありません。最初から、下の表のようなショートカットキーが設定されています。

部品名 ショートカットキー
Resistor(抵抗) r
Inductor(コイル) L(大文字)
Capacitor(無極性コンデンサ) c
Capacitor(極性コンデンサ) C(大文字)
Voltage Source(1-terminal)(1端子電源) V(大文字)
Voltage Source(2-terminal)(2端子電源) v
Logic Input(論理入力) i
Logic Output(論理出力) o
Wire(導線) w

開くまでの画像

画面上のメニューにあるOptionsからShortcuts…を開くと、現在設定されているすべてのショートカットキーが表示されます。

ショートカット一覧

テキストボックスの内容を書きかえて、OKボタンを押せば、ショートカットキーの設定を変更することも出来ます。

コピー、貼り付け、カット……のショートカットキー

コピーや貼り付けといった、部品の編集にも、ショートカットキーは設定されています。下の表にショートカットの一覧を示します。

操作 ショートカットキー
コピー Ctrl+C
貼り付け Ctrl+V
複製 Ctrl+D
Undo Ctrl+Z
Redo Ctrl+Y

Windows系のソフトでよく使われるショートカットと同じ構成になっています。

Time Step Size

Time Step Sizeとは?

Time Step Sizeとは、シミュレーションを行う時間間隔のことです。

実際の回路における、電圧や電流の波形は途切れることなくつながっています。(アナログ信号とも言われます。)
ですが、シミュレータは、途切れることなくつながっている信号を扱うことが出来ません。(デジタル信号とも言われます。)

ここで、「どれくらいの間隔で点を取るか」を決める値が、Time Step Sizeです。Time Step Sizeは、Options-Other optionsのTime step size[s]から設定出来ます。単位は秒で、第3回で紹介したSI接頭辞を使うことが出来ます。

設定するまでのメニュー画面

Time step sizeが表示されている画面

Time Step Sizeの値を変更するとき

ふだん、この機能が使われることはありません。しかし、高周波のシミュレーションを行うときには、重要になってきます。

実際の波形と歪んでしまった波形

上の図を見てください。実際の波形は正弦波となっていますが、Time step sizeが大きすぎるために、三角波としてシミュレータ上で表示されてしまっています。 高周波のシミュレーションを行う場合は、Time step sizeの値に注意を払う必要があります。

一般に、周波数f[Hz]の波形をシミュレータ上で表示させる場合、Time step size T[s]は、

式の画像

を満たすように決めれば問題ありません。Kは一周期に取る点の個数です。20~30程度で構いません。 この式を使うと、f=10[kHz]、K=20のとき、適切なTime step sizeは、5[μS]以下と求まります。

Column:Time step size自動調節機能

ここまでTime step sizeについて解説してきましたが、実際のところ高周波の場合でも、Time step sizeの値を自分で変更する必要はほぼありません。
Circuit Simulator Appletには、電源の周波数を変えたときに、Time step sizeを自動で調整する機能があるためです。
周波数を変えたときに表示される「Adjust timestep to allow for higher frequency?」というメッセージにOKすると、Time step sizeの値が変更されます。

おわりに

これで「回路シミュレータCircuitSimulatorAppletを使ってみよう!」は終わりとなります。ここまで、お読みいただきありがとうございました!

う-ん、よく分からん!

この記事を読んで、疑問に思うことがあったときは、気軽にコメント欄や私のTwitterから質問してください。

参考文献

CircuitSimulatorApplet 全電子部品対訳表

CircuitSimulatorApplet上に表示される電子部品の名前は、全て英語です。
英語で書かれた電子部品の名前を見て、すぐに実際の電子部品が思い浮かぶ人はいいかもしれませんが、そうでない人が大半でしょう。

下の記事では、CircuitSimulatorAppletにある全ての部品の日本語訳を載せてあります。
「日本語では○○っていう部品なんだけど、英語では何ていうんだろう?」「この部品、CircuitSimulatorAppletのどこにあるんだ?」という時にお使いください。

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Subcircuit公式マニュアル

http://www.falstad.com/circuit/subcircuits.htmlwww.falstad.com

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